幽栖録

極私的備忘録

 その後、読んだ本

『遺伝子の不都合な真実 −すべての能力は遺伝である』安藤寿康 ちくま新書
ここで言う「遺伝」というのは「ある人がたまたま生まれながらに持っているある種の特性」といったような意味だな。一般に「遺伝」というと、親の才能(能力)を受け継ぐ、みたいに受け取られるが、むしろいろいろなバリエーションを作り出す仕組み、というほうが本質的。昔は6人、7人兄弟と言うのがあたりまえで、兄弟それぞれ性格がばらばらと言うのも当たり前だった。それもしかし、全員が遺伝なのである。(まあ、実際に(いわゆる)優秀な両親の子供は「優秀」である確率が高いのは確か。)
行動遺伝学の3原則
1.(人の)行動にはあまねく遺伝の影響がある。
2.共有環境の影響がほとんど見られない。
3.個人差の多くの部分が非共有環境から成り立っている。
2.3.=環境と遺伝子の関係が、正直、ちょっとわかりにくい。
人種民族によって遺伝的な違いがあるのはおそらく確か(顔かたちにあれだけ遺伝的差異があるわけだから)。しかし、集団同士を比較した場合、その集団間の平均値の差異よりも、集団内部の個人同士の差異のほうが大きい=どの集団に属しているか、よりも、その人自身がどんな人か、の方が重要。まあ当たり前といえば当たり前なんだが、大事なことである。
『生きづらさはどこから来るか: 進化心理学で考える (ちくまプリマー新書)』を読もう。
『セクシィ仏教2』愛川純子・田中圭一 メディアファクトリー新書
前著より面白かったかな。(そう思ったのは何故だろうか)