『真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960 』池上 彰,佐藤 優 講談社現代新書
『激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972』同上
『漂流 日本左翼史 理想なき左派の混迷 1972-2022』同上
日本左翼史全三冊。佐藤優が共産党について語っていることは(彼の史観が多分に入っているとはいえ)事実。
左翼とは、(何よりも)理性を重視し社会を改造すれば(格差、貧困、戦争の無い)理想的な社会に近づける、と考える立場。としつつ、佐藤は三冊目の最後で「左翼にとって価値判断の基準は(中略)「階級」であり、戦争であろうと環境問題であろうと、「労働者階級にとってそれは何を意味するのか」という問題設定からすべては始まります。」と言っている。で、すぐ後に「左翼思想を成り立たせる土台事態が崩壊している」としているわけだが。
資本主義が、本質的にダメなものであるという認識を持てば、理性はそれに代わる何かを見つけ出さなければならない。そうではなくて、(資本主義は本質的にダメというものでもないのだから、理性によって)資本主義を修正しつつ理想的な社会に近づけるという立場はもちろんあるのだが、それは階級史観に立つと、まぁお話にならない、ということになる。資本主義の本質とは何か、という問題になってくる。そのものずばりのタイトルの書もあるようだし、いろいろな論考が出ているのだが、さて。
『22世紀の民主主義』成田悠輔 SB新書
内容は、彼の出ているYouTube番組を観ていれば、だいたいそこで聴いているような感じである。無意識民主主義は成立するのか?