幽栖録

極私的備忘録

その後、読んだ本

トキワ荘の時代』梶井純 ちくまライブラリー

寺田ヒロオの漫画道」というサブタイトルに惹かれて読んだこともあり、寺田ヒロオ赤塚不二夫へのアドバイス、俺ならこれで五本作る。君のは詰め込み過ぎだよ、、、をこの本にも当てはまるなぁと思いながら読んでいた(もっともそれだけでは一冊にならなかったか?)。著者なりの視点による戦後漫画史があるのはわかる。寺田ヒロオ、立派な人だなぁ、と思うと同時に(好奇心とか趣味とかを持たないというか全く興味がなさそうな)不思議な人だったなぁ。やはり(自分の考える=理想とする)漫画にしか興味がなかったということか。藤子不二雄寺田ヒロオの作品についての文について、著者が批判的に書いているのを、どうかね?と思って読んでいたのだが、読後これを書きながら、なるほど後になって、そのあとの時代の見方をもとに書かれたと思しき文章を、実際その作品が書かれたときの状況は、そうではなかったと指摘しておくことは結構大事なことだなと思い至ったな。