幽栖録

極私的備忘録

 その後、読んだ本

『日米同盟の正体 迷走する安全保障』孫崎享 講談社現代新書
これは勉強になる。1990年にソ連が崩壊した後、唯一の超軍事大国となったアメリカのその後の戦略。オバマが、イランの核問題に対して(選挙期間中から)強硬な姿勢を表明してきたこと。アフガンへの自衛隊派遣というのは、イギリス世論も撤退を言い始めているという今、日本国民も許さないだろう。イランへの攻撃というのは、あり得る。というか、そこまで考えに入れておくべきなんだろう。しかし、イスラエルロビーというのがそこまで力を持てるというのはなぜなのだろうか、と思うのだが。やはりカネなんだろうか。巻末のスパイ小説は、読んでみようか。
ちょっと思ったんだが、北朝鮮核武装は絶対に許してはいけない、核武装さえさせなければ、とことんいじめて、北朝鮮軍部がもう堪忍ならん!と暴発したときに、一気に殲滅、という作戦がありうるような気がしてきた。ちょうど、真珠湾攻撃のときにチャーチルルーズベルトが大喜びしたように。もっとも、この作戦を取るときには、東京、大阪、各地の原発あたりにテポドン、ノドンが落ちてきても被害を最小限にとどめられるようにしておかないといけないな。しかし、原発がやはりネックになるか。

『今こそアーレントを読み直す』仲正昌樹 講談社現代新書
仲正先生、相変わらず被害妄想的なところはありますが、しかし「先生」としては実に良い。「アーレントをここまで分かりやすく語ってよいものだろうか。ありがたいよーな、ありがたくないよーな…。」という評があったが、これが一番当たっているのかなという感じである。 アーレントに自分(著者)の立場を重ね合わせているけれど、著者が批判するレベルの評論家とかジャーナリストというのは、要するに原稿料稼ぐために何か書かなくてはいけない、という立場で締め切りに追われながら雑文書いてるだけなんだから、気にする必要なんか無いんじゃないかと思うのだが。あるいは、旧左翼的なメンタリティの大学の先生というのが、私が思う以上にたくさん居るのかもしれない。

by niconico