幽栖録

極私的備忘録

 する現代思想 仲正昌樹 光文社新書

現代思想」というよりも、西欧思想史概観みたいな本だな。それを<宗教化>批判の視点からまとめたと言えるかな。よくまとまっている。もう何十年も前に、ある数学者が「真理なんて存在しない」という意味のことを書いていたのを読んで、馬鹿じゃなかろか、と反発したものだが、その後、いくつかの公理を定めることによって、いかような世界でも組み立てられることに気がついてからは、その数学者の言っていたことがわかったような気がした。ここで仲正昌樹が言っていることもそういうことだ。終わりのほうを読みながら思い出したのは「ゲーデル不完全性定理」だ。というわけで、この本と一緒に買っていた「理性の限界」(高橋昌一郎)をこれから読もう。