幽栖録

極私的備忘録

 その後、読んだ本

現代思想史入門』船木亨 ちくま新書
先に読んだ『日本思想全史』とはまた違ったアプローチの思想史(入門)で、これはこれで面白い。しかし、結局「現代思想」って、行き詰まった西欧文明をどうとらえるか、あるいはその行き詰まりをどう打破できるか(あるいは出来ないのか)ということのあれこれなんじゃないか? で、それは単に西欧文明が衰退を始めているということであって、かつての中華帝国清やオスマントルコ帝国が衰退し、滅びたように、今また西欧文明が衰退し滅び始めているというのが今である、ということを示しているだけなのではなかろうか、という気もする。清、オスマントルコは18世紀後半には明らかに衰退がはじまっていたが、結局、最終的に滅びるのは20世紀に入ってからだ。20世紀後半に衰退がはじまった西欧文明が最終的に滅びるのは21世紀末か、22世紀初か?その後出てくるのはアジアか、アフリカか?しかし、それは新しい思想を伴って来るのだろうか?単に新興資本主義国として出てくるだけか?(そのような資本主義経済の発展の余地はまだあるのか? まだあるような気がする。)中東(イスラム)は何らかの位置を占め得るだろうか?それともただの遅れて来た近代(まだ近代にもなっていないが)で終わるのか。
「もはや進歩しなくなるのがポストモダンである。文明進歩という、そのことが終わったという意味である。」「終わりようのない時代のことなのである。」(p.31)










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