幽栖録

極私的備忘録

 ワセダ三畳物語 高野秀行 集英社文庫

早稲田大学正門から徒歩5分のところにある古い下宿屋での物語。著者は二十二歳から三十三歳までの11年間(1989年から2000年まで、この時代にまだこんな下宿屋が残っていたのか、と驚く)、このトイレ・炊事場共同、もちろん風呂無しの古い木造2階建ての下宿屋の三畳部屋(家賃月一万二千円)で8年、4畳半の部屋で3年間暮らした。下宿人はもちろん怪しい人ばかりだ。ある種の教養小説(ビルディングスロマン)とも読める。