幽栖録

極私的備忘録

その後、読んだ本

『ゴミ清掃員の日常』滝沢 秀一,滝沢 友紀 講談社

良い本でした。清掃員が幼児に人気とは知らなかった。ゴミ分別の基準もわかって良い。

『人新世の「資本論」』斎藤 幸平 集英社新書
これはいろいろな意味で面白い。著者は若干34歳?の純正マルキスト!!だ。そんな人の本が本当に25万部も売れているのだろうか?と読書メーターを見てみると、なるほど結構な数の人が登録していて、感想・レビューコメントも多い。コメントを書いている人に若い人達が多いようなのも興味深い。ソ連共産主義社会が崩壊した1990年以降に生まれた世代=マルクス主義の洗礼を(おそらくは)全く受けていない世代が20代半ばになっているわけだが、彼らがあらためて資本主義の矛盾を意識し始めマルクス思想を(再)発見し、それが若い人たちの間に一定の影響力を持つような時代がまた来るのだろうか? この書の基本は割と古典的な「資本」「労働」理解で、記述も第六章あたりからはほとんど著者の妄想みたいになってゆくのだが、それもまた面白い。

『新型格差社会山田昌弘 朝日新書

社会をマスで論じることは、それはそれで意味がある。しかし、その社会の中にいる個人=私にとって問題なのは、私はその中でどのように行動するのか、ということだ。(そのように言い切ることができるのは、私が「弱者」の中にいるわけではないからなのだ、ということも自覚。)   政策立案等のためにこのようなデータが必要なのは言うまでもないんだが、私たちのような一般の(?)人間が読むと、例えば(平均的に)低所得層が多そうな地区には住みたくないとか、小学校四年から塾に入れないとまともな学校には行かれなくなるのではないかとか、いう心配を始めてしまう。(もっとも、教育の目的は、子供が一人で生きてゆけるように育てることなんで、塾通いとは直接の関係はないのだが。) 書いて整理して見たいことはあるんだが、まあ今更良いか。