「教養は自らが判断と決断を行うための知識・思考力・リテラシーである」(あとがき)。 「教養のある人」という言葉で表現される人柄と、単なる「物知りな人」とは違うんだが、では著者が(読者=私にとって)「教養のある人」と感じられるかというとちょっと微妙だな。いろいろと勉強していて物知りであることは認める。 本編の書き振りが、えらくせわしないなと思いながら読んでいたが、著者は癌であったらしい。なるほど書き急ぐわけである。ブログを見ると癌は完治したとのことだが、だからといって著者にはあまりのんびり構えていないで、もっといろいろと書いてもらいたいとは思う。東浩紀と同世代で、彼と真っ当に議論できそうな人という感じもするし。