幽栖録

極私的備忘録

 その後読んだ本

ダライ・ラマの仏教入門』ダライ・ラマ十四世 テンジン・ギャムツォ 石濱裕美子訳 知恵の森文庫
読み始めてしばらくしてから、そうだ仏教関係の本はもう読まなくても良いと思っていたんだ、ということを思い出した。前半「阿羅漢の境地」までは、一応わかっていることだったから。で、その先の「仏陀の境地」には、僕は今のところあまり興味は無いんだな。しかし、「阿羅漢の境地」では、煩悩によって作られた『潜在力』が残っている、というのはなるほどという指摘だった。
「行為によって蓄積された『潜在力』」という表現も使っている。で、この『潜在力』を克服するためには、大きな功徳の力強い裏打ちが必要、だ。
あなたは悪人だ、といわれると腹が立つのは何故か。悪い人になりたくないからである。良い人の行いを修養すれば人は良くなる。
「現実にあなたを守護してくれるのもあなたを破壊するものも、あなた自身の行為(業)なのです。もしあなたが、なにが本当に救いをもたらすものであるかと尋ねるならば、それはあなた自身の良い行いであると答えましょう。」
「いちばん簡単な修行は、、、可能なかぎり他人を助けてあげることです。もしそれができないならば、せめて他人を傷つけないことです。これが中心的な修行です。」
「声聞(しょうもん)の教え(小乗仏教)のエッセンスは他人を傷つけることをやめることにあります。一方、大乗の教えのエッセンスは利他の精神−他人の救済−にあります。」
十の良い行い(十善行):殺さない、盗まない、邪(よこしま)な情欲を抱かない、嘘をつかない、悪口を言わない、荒々しい言葉を用いない、意味の無い言葉をしゃべらない、貪らない、怒らない、邪な考えを持たない。
八つまではまあまあなんだが、あとの二つだな。もうちょっと修行が必要である。