幽栖録

極私的備忘録

 その後読んだ本

地中海世界イスラム』 W.モンゴメリ.ワット 三木亘訳 ちくま学芸文庫
イスラム勢力のスペイン、シチリアへの進出が、いかに大きな影響を当時のヨーロッパ世界に与えたのかという話。現在では、まあそれは当たり前というか、当然の了解事項だけれども、これが発表された1972年当時は、まだ『世界史』といえばほぼ『西欧史』のことだったからなぁ。もちろんアラブもインドもそれなりに登場はしていたけれど。しかし、西欧世界のアラブ、イスラムに対するある種のコンプレックスは、今でも癒えていない。それはまた日本が中国に対して持っている、そして中国が日本に対して持っている(と感じられる)独特の感情に似ている。