幽栖録

極私的備忘録

 アメリカの原理主義 河野博子 集英社新書

アメリカの宗教右派の持つ社会的・政治的影響力というのを、にわかには信じられないのだが、以前ニューズウィーク(日本版)で読んだ記憶があるアメリカ人の半数以上が週1回以上教会へ行くというのを思い出すと、実際そうなんだろうなぁと思う。もしかすると同じ記事だったのかもしれないが、この本にも言及されているニューズウィークでの世論調査では、アメリカ人の実に79%が「イエス・キリストは処女マリアから、人間を父親とせずに生まれた」と信じていると出たそうで、アメリカ人というのは実に信心深い人たちなのである。2004年の大統領選挙では、CNNとNYTがまとめた出口調査で22%が「(大統領選挙の)最も重要な課題」として「道徳的価値観(moral values)」をあげたそうだ。また、同じ調査で「大統領を選ぶときに、最も重要な資質」という項目で「深い信仰心」を選んだ人が全体の8%、そのうちの91%がブッシュに投票、「知性」を上げたのが全体の7%、そのうちの91%がケリーに投票、というのもなかなか興味深い。