幽栖録

極私的備忘録

 アラブが見た十字軍 アイン・マアルーフ ちくま学芸文庫

今、イラクで起こっているシーア派スンニ派の対立は、過去一千年以上にわたって武力を伴いながら続いてきたものだ。終章(最後の数ページ)にまとめられたコメント。アラブが持っている被害者意識=コンプレックス、結局西に学ぼうとしなかったこと、現在までも西洋との関係をまだ十字軍の時代になぞらえてとらえる傾向。例えばイスラエルはフランク(十字軍)の占領国家としてみるなど。(イスラエルはまた、やはり大きな被害者意識と過剰防衛本能?を持っているのだが)
自由(民主主義)というのは普遍性を持った価値である。アラブ・イスラムの国々や中国もまた、これをどのように自国の中に取り入れてゆけるかが課題だ。