幽栖録

極私的備忘録

その後、読んだ本

『サピエンスの未来 伝説の東大講義』立花 隆 講談社現代新書

前半、東大講義とあるように若い人向けの話かなと思っていたら、後半、テイヤール・ド・シャルダンの進化論の解説を軸に、展開が変わってくる。生命の誕生から人類・人間の誕生までは進化=物理的・肉体的な変化であったものが、人間ホモ・サピエンスの時代になってからは精神圏の進化=社会的な変化こそが進化そのものなんだ、というのは面白い(人間以外の生物は、群れを成すといってもある程度の限界を持っている。全地球規模で互いに関係を持ち、それをさらに拡大・密にしつつあるのは人類だけだ)。もっとも進化の最終段階というところまでゆくとちょっと神がかってくる(キリスト教神学者だから当然か?)。