幽栖録

極私的備忘録

 その後、こちらで読んだ本

「日米開戦の真実」佐藤勝 小学館
大川周明著 『米英東亜侵略史』を読み解く」と副題にある。内容的には、特に新しい知識は無い。しかし、これを読みながら、先の「新戦争論」の理屈というのがちょっと楽観的すぎるのかもしれないという気がしてきてしまった。要するに第二次大戦前も日本のやったことは「犯罪」とされていたんだが、日本はそれを列強の既得権維持のための小理屈としてしか見ていなかった。現在でも、中国、ロシア、北朝鮮はもちろん一部のイスラム国家や中南米の国は、同じように見ているのではないのか? とすれば、米国が圧倒的に強いうちは良いが、今後、イラクでの失敗や、経済的には中国への従属、といった状況がじわじわと効いてきて、米国の国力が弱ってくると、あるとき突然、群雄割拠状態が出現、というような事態になりうるのか? 僕は、人類はもう少し過去の戦争から学んでいると思いたい。であれば、国連機能の強化ということしかないはずで、それを積極的に進められるのはEUと日本か。
「近代ヤクザ肯定論」山口組の90年 宮崎学 筑摩書房
「差別」というのは、人間がいる限り、どこかで生まれてくるものなのだろうか。「どのように差別を受けようとも、人は生きていかなければならない。そのことはわかってもらわなくては困る。そして、それがほんとうにわかってもらえたなら、被差別民がなんとしてでも生きていこうとしたとき、ヤクザという選択肢をとるしかないことに文句はつけられないだろうと思うのである。」という著者の言葉が「ヤクザ肯定論」の根底である。 ヤクザとしてしか生きられないだろうタイプの人間というのは必ずいるんだろうな、というのが僕の感想。そういうタイプが1000人に一人として、一億人に10万である。