宮台と速見の間に微妙なずれがある。速見は生が無意味だとはこれっぽっちも思っていない。宮台は、それが(本来は)無意味なものであると知っていながら、それを口には出すまいと思っている。無意味であるという自覚からしか、意味を創り出すことは出来ないんじゃないかと、私などは思うのだが。(まあ、無意味である、と言ったとたんに、どんな馬鹿げた誤解を受けないとも限らないからなぁ。難しいだろうなぁ。)
石川文洋のファンである。今日は、これと「日本縦断 徒歩の旅」(岩波新書)を買ってきた。戦争が持っている本質的な悪について静かな文章で記している美しい本。
一周忌追悼特集と銘打ってある。未発表作品「盛場ブルース」「鉄道」「ある批評家」の3作と、いくつかの評論とエッセー。アシスタントをやっていた中村康浩ザ・ピーナッツと青木雄二が面白い。3作は、なるほど「なにわ金融道」の原点はこういうところかという人情味がある。