幽栖録

極私的備忘録

 「キリスト教思想への招待」(田川健三、勁草書房)

人間は被造物、やっぱり隣人愛、彼らは何から救われたのか、終われない終末論、の4章からなる。田川健三自身は徹底した無神論者で、しかしイエスには一目置いていて、パウロが嫌いのようだ。「宗教」から救われたのだとか、「ヨハネ黙示録」の扱いなど、「宗教」という語や、あるいは「信仰」というものなどを胡散臭いものとみなしている普通の人々に、その警戒心を解かせるような書きぶりで面白い。(逆に、毎週教会に通っているようなクリスチャンは反発するだろうが。)