幽栖録

極私的備忘録

その後、読んだ本

『文明が衰亡するとき』高坂 正尭 新潮選書

1981年の書、というわけでちょっと古い。ローマ帝国ヴェネチアの衰亡を語り、その後アメリカの(当時の)現状を語る。前者についてはマクロ的といってよいと思うが、後者(アメリカ)については、ちょっとミクロな話になっている。日本がまさにイケイケとなる直前、アメリカの製造業は惨憺たる様相を示し始めた時代に書かれているので、今読むとそれはそれで面白い。今(本日現在)、アメリカの株価は最高値更新中、日本の株価は30年前の三分の二という現状で、むしろ今の日本のほうが、明らかに衰亡に入っていそうだ。

『B面 昭和史』半藤一利 平凡社ライブラリー

トンデモな法律が出来上がって、それを皆が(疑問も持たずに)受け入れてゆく状態。

キリスト教と日本人』石川 明人 ちくま新書

キリスト教の日本への宣教とその受容の歴史。「宗教」とは何だろう、との考察はあるのだが、ちょっと理屈っぽ過ぎるのかな。「宗教」って、結局(ある種の、あるいはそれを必要とする人々にとっての)「救い」だろうと思う。そしてその「救い」との出会いはほとんど偶然なんじゃなかろうか(日本人にとっては)。

『AI vs 教科書が読めない子どもたち』新井紀子 東洋経済新報社

中学生、高校生(そして大学生も)のかなりの割合が、実は教科書を読めるだけの読解力がない。まあ、そうかなという気はする。新聞記者が(二拓の問題で)「正答率57パーセント=100点満点で57点というのは平均点としては悪くないのではないか」と聞いた、というのは笑った。もっとも今の私がRSTを受けたらどのような成績になるかというのはちょっと疑問?だけど^^;(正答率はそこそことしてもこなす問題数がどの程度になるか)。