通し狂言 心謎解色糸(こころのなぞとけたいろいと)
小糸左七
お房綱五郎
序 幕 深川八幡の場
二軒茶屋松本の場
雪の笹藪の場
二幕目 本町糸屋横手の場
同 奥座敷の場
元の糸屋横手の場
三幕目 大通寺墓所の場
四幕目 深川相川町安野屋の場
同 洲崎弁天橋袂の場
大 詰 小石川本庄綱五郎浪宅の場
同 伝通院門前の場
お祭左七/半時九郎兵衛 染五郎
本庄綱五郎 松 緑
芸者小糸 菊之助
糸屋の娘お房/九郎兵衛女房お時 七之助
神原屋左五郎 松 江
山住五平太 松 也
赤城左京之助 歌 昇
廻し男儀助 萬太郎
芸者小せん 米 吉
芸者お琴 廣 松
丁稚與茂吉 玉太郎
番頭佐五兵衛 松之助
中老竹浦 宗之助
石塚彌三兵衛 錦 吾
鳶頭風神喜左衛門 男女蔵
松本女房お蔦 高麗蔵
安野屋十兵衛 歌 六
女房おらい 秀太郎
◆運命の糸に操られた男女の想い
恋と野望が絡み合う大南北の傑作
『心謎解色糸』は、1810年に初演された四世鶴屋南北の世話物で、実に41年ぶり、歌舞伎座では初めての上演となります。左七と小糸、綱五郎とお房、九郎兵衛とお時という3組の男女が織りなす奇妙な縁で繋がれた恋愛模様を描きながら、赤城家の家宝「小倉の色紙」をめぐって物語は展開します。情愛や悪事、殺しの場面が南北ならではのユーモアで描かれ、早替りなどの効果的な演出、趣向がふんだんに散りばめられた作品です。
二転三転する家宝の色紙の行方と、絡み合った糸が巡り巡って解けていく、南北幻の名作にどうぞご期待ください。
まずは、江戸の華である鳶の左七と、深川芸者小糸の馴れ初めの物語。借金のためにひとつの夜着に二人で袖を通したことがきっかけで恋仲となる二人は、赤城家の家宝である小倉の色紙が家臣山住五平太により盗まれて起こる悲劇に巻き込まれてゆきます。
二組目は色紙紛失の罪をかぶる綱五郎と糸屋の娘お房。綱五郎に恋心を抱くお房は、店を我が物にしようと企む番頭の佐五兵衛の計略により仮死状態になる毒酒を飲んでしまいます。死んだと思われたお房は墓に埋められそうになりますが、佐五兵衛の企みを知り、お房の死出の持参金を掘り起こそうとした綱五郎に助けられ、一緒に連れて逃げてほしいと頼みます。
そしてもう一組は、九郎兵衛とお時。赤城家に仕えていた二人は駆け落ちし、身を持ち崩してからは悪事をはたらいて生計を立てていました。二人は綱五郎に美人局(つつもたせ)を仕掛けますが、ひょんなことからお時が綱五郎のかつての許嫁であることが判明し…。
恋と野望が絡み合う運命の糸に操られた男女の想いは…。
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九郎兵衛というのは、もっと悪なんじゃないか? 小糸も可哀相すぎるじゃないか。
桟敷。夕食に備えて弁当は持参(軽く)。地下のコンビニで250円で買える缶ビールを場内で400円出して買ったのは失敗だった。
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