幽栖録

極私的備忘録

 その後、読んだ本

『情報の呼吸法』津田大介 朝日出版社
カバーに「発信しなければ、得るものはない。」とある(第二章のタイトル)。タイトルを英語で「Breathing Information For Action」と訳している。 この2点が、著者の語りたいことのすべてであり、そして僕は「津田って、いいやつだな」と思う。 声高に誰か、あるいは何かを批判したりケチをつけるのではなく、それらを所与のものとして受け入れ、なお、自分にできることをやれ、と言っているように感じられる。もちろん批判も必要なんだろうが、たとえば「記者クラブが問題だ」と言って記者クラブ(の存在)とそこに所属する人々を批判することは、それはそれで必要なのだろうが、津田は「では、記者クラブにできないことを、自分はどうやって実現しようか」という発想をする。 結局、そちらのほうが手っ取り早いのかもしれない。行動すれば必ずフォロワーが出てくる、というのは正しい。
『あらゆる領収書は経費で落とせる』大村大次郎 中公新書ラクレ
内容的には、想定の範囲内、というところか。福利厚生費をもっと使うべきかな、社員のために。領収書の宛名がどうでもいい、というのをはっきり書いてあるのを読んだのはこれがはじめて。
『日本経済の奇妙な常識』吉本佳生 講談社現代新書
「歴史的な円高」がウソであるという説明は納得した。為替の変動を見るときにインフレ率を考えに入れておかないと、失敗をする可能性があるな。また近年の資源高=コスト上昇を、中小企業の賃金抑制で吸収している、という見方も納得。個人の貯蓄率は減少傾向にあるのに、企業が内部留保を増やし、結局それで怪しい金融商品を買っている、というのもねぇ。投資家としてはもう一回読むべきか。